ニューヨークとお金

一度昔にマンハッタンのATMにさらっと置いてあった残高レシート見て唖然としたことがある。

 

そこにはおそらく僕が一生で稼ぎきれるか分からないくらいの額の数字が書いてあった。

 

 

周りに人がいたのでさっと裏返したが、今思うと、もらっておけば良かったなと思う。

そして自分の部屋に、ちょっとした目標みたいに飾っておけばよかった。

 

 

 

きっと誰かの口座残高を、こっそり壁に貼るなんて失礼なことは誰もしないだろうけど。

 

 

 

 

しかし、その人はなぜ置いていったのだろう。

そもそも残高レシートなんて絶対他人には見られたくない。

 

お金持ちの桁になると気にもしなくなるのだろうか。むしろ見せたくなるものだろうか。

 

 

 

正直な話、僕はニューヨークで残高$2を経験したことがある。

今は笑い話で話せるが、そんなレシートは絶対に置き去りにできない。

 

 

 

 

もし街を歩いていて、その人の通帳残高が分かったら。

例えばVR的な感じで見えたりするなど。

本当に余計なことなんだろうと思う。

 

何を信じていいのか分からないし、ファッションもファッションでなくなる。

その美しい瞳を見る前に、残高を見てしまう。

 

友人同士で会ったとしても、なんというか、気まずい空気が流れるに間違いない。

デートもなんというか、いくら洒落たレストランで食事していても、残高が見えたらロマンチックな感じにならないと思う。

 

 

 

特にニューヨークなんて、天と地ほどの差の残高がそこらの歩道を歩いていることになる。

見れたものではないだろう。

 

ウォールストリートなんて一歩も近づきたくない。

 

 

 

ただ見えない現実は今日もそんな感じで動いている。

 

 

そこのホームレスぽい人の方が意外と僕より持っているかもしれない。

そしてそんな彼に僕は何も知らずに$1を渡すかもしれない。

 

 

 

きっと資本主義は僕らが死ぬまで終わることはない。

だからお金について考えることは大切なはずだ。

 

 

ただそれが全て可視化されると、見失うものはとても多い。

 

 

 

 

 

“時間”が“通貨”になった世界を描いた映画「TIME/タイム」。

人々が時計のように装着し、可視化された“通貨- TIME”が印象的だった。ブログを書きながらちょっと思い出した。

TIME/タイム (字幕版)
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